ドローンには法律で飛行が禁止されているエリアがあることは皆さんもご存知でしょう。例えば軍事施設でのドローン飛行は、国家安全保障の観点で禁止されています。では、空港はどうでしょうか。
空港でのドローン飛行が禁止されているのは、ドローンが飛行機に衝突するととても大きな被害が出るからです。研究者たちは、ドローンと飛行機のあらゆる理論上の衝突を調査しています。ドローンが飛行機の機種にぶつかった場合や、エンジンに巻き込まれてしまった場合など、あらゆる状況が想定されます。
オハイオ州デイトン大学の研究者は、民生用ドローンを空気砲に詰め飛行機の翼に向けて発射し、何が起こるのか観察する実験を行いました。ドローンは破壊されたものの、砕け散ることなく一つの塊のまま翼に衝突しました。いくつもの破片がぶつかるよりも、ドローンが形を保ったまま衝突するほうが、飛行機の翼が受けるダメージは大きくなります。
さらに、ドローンの衝突によって翼桁がダメージを受けることがわかりました。これは、鳥の衝突をシミュレーションした際には観察されなかったことです。研究を指揮するKevin Poormon氏は「鳥の衝突は、翼前方の縁に分かりやすく大きいダメージを与えます。しかし、ドローンは翼のより深くまで貫通し、翼桁にまで到達しました。これは鳥の衝突より深刻なダメージです」と述べました。
幸運にも、これまで飛行機とドローンの衝突事故は起こっていません。それはすなわち、ドローンの衝突がどれほど危険なのかはっきりしないことを意味していました。この実験結果によって、空港におけるドローン規制が妥当であることが証明されたといえるでしょう。