ドローンを空港から遠ざける規制が多く存在する中、アメリカン航空とDJIは空港の安全と効率化にドローンが重要な役割を果たすと確信しています。 DJIのドローンMavic 2Eが、航空整備士の時間を節約し、作業の安全性を高めるというのです。
アメリカン航空のエマージング・テクノロジーを統括するPhil Easter氏は、アメリカン航空はイノベーションのための豊かな土壌を持っていると語りました。 同社は社員に自由な裁量権を与えることで、企業の革新と発展を図っているといいます。
例として挙げられるのが、デザイナー、IT専門家、デベロッパーが集まって24時間の集中ハッカソンを行う社内イベント「ハックウォーズ」です。2016年のハックウォーズで、ドローンによる航空機点検に関するアイディアを発表し、見事優勝したLorie Grabham氏は、現在アメリカン航空のドローン技術担当者として活躍しています。 そのアイディアをもとに、アメリカン航空はDJIと提携したプロトタイプのドローンを発表するに至りました。
日々行われる航空機の点検には、大きな労力とコストがかかります。この作業にドローンを投入するのがアメリカン航空の目下の狙いです。1日のフライト数が6,000を超える同社は、ダラス国際空港に1,000人以上、世界中に12,000人以上の航空整備士を配備しています。航空機の点検、整備には長い時間と多くの人員を必要とし、またリフト等の重機を使って高所で行うため、整備士にとって危険が伴う作業です。 高所での作業をドローンで代用することができれば、整備時間と危険性のどちらも減らすことができるといいます。
同社のバイス・プレジデントLorne Cass氏は、「すべての整備士の工具箱にドローンが入っている未来がやってくるだろう」と語っています。