エンブリー・リドル航空大学、ドローンの安全性についての研究を発表

更新日: 2018.11.01 公開日: 2018.11.01
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アマチュアのドローンパイロットが増えることによって、新たな危険が発生することが最近の研究によって明らかになりました。

フロリダにある、エンブリー・リドル航空大学は201810月、新たな研究結果を発表しました。同大は、その中で「公園や人がいない地域でドローンを飛ばしているのは、全体のたったの12%である」とドローンの現状を指摘しています。

「現在使われている4分の3以上のドローンは、住宅街や家屋の上を飛んでおり、残りの21.5%は工業地帯やビジネス街、公共施設の上空を飛行している」と報告書内で述べられています。

研究を進める上で、調査員たちはDJIが開発する高周波ドローンセンサー「AeroScope」を用いて、デイトナビーチ国際空港周辺を飛ぶドローンの数を記録したといいます。

記録された合計177機のドローンと、FAAの無人航空機システムが算出する地図を比較したところ、「空港付近のドローンの5分の1以上が、操作基準として定められた最低安全高度以下を飛行している」ことが明らかになりました。

報告書では「このようなデータは、無人航空機の多くが旅客機などの有人航空機の近くを飛んでいることを示している。このような状況では、いつ事故が起きてもおかしくないだろう」と結論づけられている。

FAAは趣味用の小型ドローンの流通台数は「2017年時点では110万台だったものの、2022年には倍以上となる240万台にまで増加するだろう」と予測しています。そして「2017年では7万3,673人だったドローンパイロットの数も2022年には301,000人にまで膨れ上がる」と述べています。

「これは想定外の数値です」と述べるのは、航空科学博士であるRyan Wallace准教授です。同氏は「多くのドローンパイロットは、危険を排除するために、人の少ない開けたスペースを選んでいると考えられていました。しかし、実際にはそんなことはなかったのです」と続けました。

調査チームは、進入禁止エリアにドローンが入れないように、マッピング技術の開発の必要性を企業に訴えかけています。

2018年の初めには、DJIはそれらの危険性を排除するために、新たなマッピングシステムの開発に取り組んでいることを発表しています。これにより、プロのドローンパイロットが飛ばすドローンが、アマチュアパイロットのドローンに接近するのを防ぐことができるようになるといいます。