2017年、アメリカの税関と国境保護機関(以下CPB)は、カメラとセンサーを搭載したドローン“MQ-9プレデターB”を使って、麻薬密輸や違法な国境通過などの監視を行う任務を635件完了しました。
合計飛行時間は5,625時間にものぼり、歴代で最多のドローンを使った任務を行いました。
現在、アリゾナ、テキサス、ノースダコタ州の3か所で、南はメキシコとの国境、北はカナダとの国境をCPBのドローンが監視しています。
CPBのドローンは国境100マイル周辺を監視しており、特にチェックポイントである、国境のそばの何も無いエリアに人が居た場合、CPBのエージェントが正当な移民かどうかの質問、確認を行っています。
少なくとも、5年以上前からこのドローンを使った監視は続いており、ドローンに搭載されたカメラは非常に高性能で、DAPRAによって開発された、1.8ギガピクセルのARGUS-IS監視システムは、地上で6インチ程の小さな物体を17,500フィートの高さから認識する事が出来ます。
5年前でこの高性能ですので、現在のさらに高度な技術によって、地上に居る人の顔をはっきりと捕える事が可能であると考えられます。
このニュースをプライバシーの脅威に思う人々も少なくありませんが、アメリカ政府は“空からの監視“を新しい常識にしようと考えており、ここ10年間でドローンを使った監視はどんどん拡大しています。
さらに監視ドローンの名称にある“プレデター(捕食者)”が“ガーディアン(守護者)”に最近変えられた事からも、監視ドローンへの人々の認識をポジティブなものへと変えようという意図が読み取れます。
MQ-9の高性能な働きぶりに関わらず、アメリカ国家警備隊は、さらに高度な技術を保持する“リーパードローン“をアメリカとメキシコの国境に配備するようにアメリカ政府に要請しています。