アメリカのネブラスカ大学リンカーン校が主導する、ドローンを使った嵐と竜巻の調査プロジェクトの計画が進んでいます。
計4つの大学から、50名以上の科学者と生徒が2019年と2020年のストームシーズンに太平地に計測器セットを配備し、通称“TORUS(レーダーと無人航空機システムによるターゲット観測)”調査に参加します。
プロジェクトに掛かる費用は2.5ミリオンドル以上で、アメリカ国立科学財団が3年間で2.4ミリオンドルの助成金を付与し、NOAA(アメリカ海洋大気庁)が追加の財政支援を提供します。 調査対象となる地理的範囲から、使用するドローンの数、掛かる費用まで、過去の同様の調査と比べて最大規模になると、ネブラスカ大学リンカーン校のアダム・ヒューストン氏は話しています。
このプロジェクトにはコロラド大学ボルダー校、テキサス・テック大学、オクラホマ大学、国立シビア・ストーム研究所が参加し、4つの無人航空機システム、NOAA P3有人航空機、気象学機器を搭載した8台のトラック、3つのモバイルレーダーシステム、モバイルLIDARシステム、3つの気球搭載センサーランチャー等が使用されます。
ヒューストン氏は次のように話しています。
「過去の調査では1機のドローンしか使用しませんでしたが、今回のプロジェクトではストームに関するデータを更に獲得する為に、4機のドローンを同時に飛行させる予定です。TORUSチームはノースダコタ州からテキサス州、アイオワ州からワイオミング州とコロラド州に至る約36万7,000平方マイルを調査する権限を獲得しています。目的は、嵐や竜巻の予測をより高度にする為、高解像度のデータを収集する事です。嵐の中で発生する小さな種が、後に巨大な竜巻に成長し得る事を明らかにし、最も破壊力があり、危険な竜巻の親嵐である“スーパーセル・サンダーストーム“を検知する技術を向上させる事が目標です」
この小さい竜巻の種は、非常に精密な研究グレードの機器でやっと発見出来る程のサイズで、プロジェクトでは嵐の隠れた構成を明らかにし、環境特性と関連付ける事で、スーパーセルと竜巻の予測技術を向上出来る可能性があると研究者達は話しています。