欧州委員会は先週、ドローンに関する最新の規制を発表しました。同委員会が発表したドローンの使用における最新の規制には、EASA(欧州航空安全機関)が提示する操作上及び技術的な要件が盛り込まれています。
これにより、防空圏での安全を保ちつつ、ヨーロッパ全土のドローン産業を活性化させていくことを目指しているとのことです。
主な規制要件は以下の3点となります。
リスクベース
今回、提案された規制では、ドローンを飛ばすこと自体のリスクに言及した文面が目立ちます。
規制の詳しい内容が載っている提案書では「無人航空機の操縦や活動には潜在的なリスクに配慮する必要がある。また、人口密集地や建物の有無など無人航空機が飛ばす場所においても注意を払う必要がある」との記載があります。
UTMシステムの導入
新規制の目的の1つとして、各ドローンによって、異なる操作システムや制御装置を統合することが挙げられます。
その足がかりとして提案書では、U-SpaceのUTMシステム(ヨーロッパ無人航空機交通管理システム)の導入の必要性が、ヨーロッパにて指摘されています。
原文では「U-Spaceシステムは、インフラやサービス、安全性を確保し、数多くある航空システムの統合を後押ししている。システム自体はまだ開発段階であるものの、U-Spaceシステムの基盤である、機体の登録、機体の位置把握、機体の遠隔識別のための要件を規制に組み込む必要がある」と述べられています。
さらに同提案書では、ドローンに関する規制がデジタル化され、加盟国間で統合されることの必要性も説明しています。
騒音
規制に関する今回の提案書では、今までドローン業界では見逃されてきたドローンの騒音にも焦点が当てられています。
しかし、騒音にたいする規制には懸念の声も上がっており、いくつかのオンラインコミュニティーでは、この規制が、娯楽としてのドローンの可能性を大幅に狭めてしまうのではないかという反対意見が散見されます。
提案書では「騒音や排出物が問題視される人口密集における無人航空機の使用において、無人航空機が出す騒音と排出物は、最低限少なくするべきである」と記述されています。
今回、欧州委員会によって提案された規制は、ヨーロッパ内のドローン制作会社との間には未だに齟齬はあるものの、今後ビジネスや政治、教育など、あらゆる分野でドローンを活用するために必要な、国際的な枠組みを形成する大きな一歩になったといえるでしょう。