アメリカのニュージャージー州の町では、緊急事態に陥っている人を助けるために、ドローンチームの採用を始めました。
ジョー・スターリング氏はリーズバーグ消防署のボランティアで36年間過ごしましたが、郡が独自に発行している免許である「ドローンパイロット」という新しい資格を取得しました。
カンバーランド郡は、町の中で、緊急事態に対応する準備ができているドローンチームを持つ最初の町となりました。熱画像カメラを備えた9,400ドルのDJIインスパイア1は、操作も非常に簡単で、緊急事態に満を持して対応することが可能です。
ドローンは、危険物、障害物、火災、森林や海上救助のために配置することができ、最初の発見者(ドローン)は、緊急時の鳥瞰図を見ることができます。
「スターリング氏はモーリス川の唯一のドローンパイロットですが、緊急時には、31人のパイロットを持つ州警察や、訓練パイロットを務めている郡保安局の意見に従うことが可能です」と、市町村の緊急事態管理コーディネーターのゴードン・グロス氏は述べています。グロス氏もまた、ドローンパイロットの免許を取得するために試験勉強をしています。
スターリング氏のドローンは非常に賢く、フライト中にドローンとパイロットのコントローラーの指示が混乱している場合は、自動的に自宅に戻ってくるようにプログラミングされています。
さらに、ベリーカメラまたはセンサーの底に取り付けられたカメラから、ビデオショットをFacebookやYouTubeにストリーミングする機能も持っています。ストロボライトがついているので、こちらを夜間に使用することができ、約3kgまでの荷物を運んで落下させることも可能です。
「もし遭難者が水中にいる場合、救命胴衣を落とすこともできるのです」とグロス氏は言います。状況に応じて、必要なラジオや救急セットを運び落とすこともできます。
「このドローンを利用すれば、消防隊員を安全な場所に待機させながら、炎をより効率的に消すこともできるようになります」と、リーズバーグ消防署長のウォルター・ヒューズ氏は言います。熱画像カメラは、ホットスポットがどこにあるのかを示すモニターをフィードバックして、地上の消防隊職員が放水ホースをサポートします。
これからの時代は、緊急事態が発生する前に、ドローンを有効活用することも可能であるとグロス氏は話しました。今回発足されたドローンチームは、最近になって猛威を振るったハリケーン・マイケルがフロリダで上陸する前に、イースト・ポイント・ビーチのビデオを撮影し、その状態を記録していました。
グロス氏によると2012年10月に起こったハリケーン・サンディーでは、ニュージャージーの多くの海岸地域が壊滅し、地方自治体だけで42の建物に損害を与えられたものの、記録が残っていなかったため、市は連邦政府の資金を受け取ることができませんでした。
今後は、ドローンが撮影する被害前後の海岸沿いの映像を見せることで、連邦緊急事態管理局の助成金申請が容易になる可能性があるとしています。
グロス氏は、「ドローンによる新技術は、次世代の第一発見者の役割を果たすのかもしれません。私たちは物事に先んじて、一歩先を行きたいと思っています。私たちが実現しようとしているのはまさに未来の緊急事態対策です」と語り、ドローン技術に期待を寄せています。