アメリカにとって夏は、自然火災が頻発する季節でもあります。
そんな中、森林火災の中でドローン飛行を行う人々が、アメリカの最新かつ最悪の伝統となりつつあります。
ドローンはなぜ消防士の最悪の敵と認識されるようになったのか
2018年6月頃に西コロラドで起こった、Bocco Fireと呼ばれた火災の中でのドローンの使用法は、消防士の活動を大きく遅らせることとなりました。
コロラドの土地管理局の報告では、ドローンたちがのんびり場所を占有している間、タンカーやヘリコプターは少なくとも1時間は待機を余儀なくされ、消防士たちはただ立ち往生し、被害が拡大しないことを祈るほか無かったとのことです。
ドローンが炎の上を飛行したことで、空域は非常に混雑し、かつそれらは消火活動に有益でないだけでなく、飛行機と衝突を起こす可能性もありました。
たとえそれが悪意のあったものでないとしても、ドローンは通常1つのカメラしか付いていないため、無意識のうちに消火用航空機と衝突し、ガラスを破壊する可能性もあったのです。
アメリカ土地管理局の広報担当であるスティーブホールは地元のニュースで、「誰かが狙って混乱を招いたものでないとしても、それらは地面や空中にいるんだ。」と語りました。
消防士の活動が1時間遅れるということは、ただ時間を失うというだけにはなりません。
炎は非常に流動的で、常に成長し、移動し続けます。活動が遅れるということは、消火活動を完璧に行うことが出来なくなるということを意味するのです。
「もし1時間あれば、5杯、いや10杯以上のタンカーやバケツの水をかけることが出来るし、それは自然火災では非常に大きな違いとなる。」とホール氏は語ります。
ドローンが森林火災現場に入り込んでしまう問題は、新しい議題ではなく、少なくとも2016年にはすでに話されていました。
FFAは自然火災の危機に直面しているエリアでの、ドローンに対する一時的な飛行制限(TFRs)の導入を検討していますが、それらの制限では通常は初動対応としては迅速とは言い難いとのことです。
アメリカの営林局の発表によると、2017年ドローンが関係する消火活動の中断は11回にも及んだとのことです。
火災エリアでドローンを飛ばしている操縦士を見つけることは、彼らが遠隔地から操作していることを考慮すると非常に難しいのです。
火災現場でのドローン操縦での最初の逮捕者は、2016年にカリフォルニアで火災現場の動画をソーシャルメディアに投稿したことによるものでした。
少なくとも今後数週間は、ドローンが火災に関わっているものすべてについて関係者が目を光らせていることでしょう。