目線でドローンを誘導出来る装置?

更新日: 2018.09.28 公開日: 2018.09.28
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ペンシルベニア大学、ニューヨーク大学、アメリカ陸軍研究ラボの共同開発によって、ドローンを誘導できる眼鏡型のリモコンの研究が行われていると発表がありました。

ドローンは通常、ゲーム機のようなリモコンを使って指で操縦しますが、この眼鏡には小さなコンピューターを内蔵しており、眼鏡をかけている操縦者の眼球の動きを読み取ってドローンに伝える「リモコン」なのです。

この操縦法は今までにない新しい方法で、「gaze-driven」と名付けられました。

GazeとDrivenの単語はそれぞれ日本語に訳すと、

Gaze=凝視
Driven=~によって運転

つまり、「凝視によって運転」できるという意味です。

また、今までのドローンの「ハンズフリー」操縦は、以下の方法に限られていました。

・追跡モード Bluetooth等によって操縦者の後を付いてくる
・表情モード 顔の表情や手の動きで操縦する
・音声コントロールモード 声で操縦できる

その点、今回開発された眼鏡型のリモコンを利用すれば、こういった手の動きや、歩き回ってジェスチャーをする必要が全くなく、眼球の動きだけでドローンを飛ばせます。

実際に研究室にて、同操縦法でドローンを飛ばしている映像をご覧下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=brF6TDqu1ec

「Tobii Pro Glasses 2」と命名されているこの商品は、未だ研究段階です。慣性計測装置(IMU)と高解像度カメラで目の動きを計測しますが、そのデータを処理する能力は、外部プロセッサー 「TX2」 に頼っています。
※慣性計測装置:角速度と加速度を計測する装置

このシステムの搭載によって、ドローンの現在位置と操縦者との距離を瞬時に計算して誘導させるのです。

眼球を撮影するカメラの映像で誘導するのですから、開発で一番の難関は二次元で撮影される眼球の映像で、奥行きのある三次元の空間を誘導させる事だと言います。現在は眼球の拡張具合で、奥行きを計算しています。

「理想は、眼鏡から撮影する映像で誘導出来ることですが、研究の段階で、その映像だと奥行きにノイズが多いことが判明しました。今後の研究で、この問題の解決に取り組みたいと思います」と、研究者は語ります。

眼球の拡張を計測してドローンを操縦できる技術は驚くべきことです。しかも開発者が少ない状態で、ここまで空間に関するデータを構築できたことは驚愕すべきことだと言えます。今後の市場展開に期待しましょう。