ドローン宅配業のアメリカネヴァダ州リノのFlirtey、はFAA(連邦航空局)のパイロットプログラムにより、初のFAA承認によるドローン配達に成功しました。
マルチドローンデモンストレーションと名づけられたフライトは、IPP(Integration Pilot Program・総合パイロットプログラム)の規制に乗っ取り、FAAの認証検知のために行われました。
この試験飛行は、アメリカ国内の10の地方自治体に無人機の規制認証を行うためのデータ収集でもあり、ドローン配達を効率的に行うための指針となるプログラムです。
1人のパイロットによって複数のドローンが操縦され、目的地にAED(自動体外式除細動器)が運搬されるかという動作を確認します。
飛行に用いられたのは、長距離でも重量のある物体を運ぶことができる次世代仕様のFlirtey社ドローンでした。
テスト飛行では、ドローンの問題点や改善点を検証するため、複数の民間企業とのコラボレーションによって、食品の配達からやぶ蚊の監視に至るまで、合計10のプロジェクトが組まれていました。
ADE(自動体外式除細動器)を運搬するプロジェクトは、時間との戦いが大きなテーマです。救急医療を必要とする現場へ、交通渋滞に左右されず医療品を届けられる空中配送なら、たくさんの患者の命を助けることができることを証明するための試みでした。
アメリカの心臓協会は、心臓停止患者は除細動もしくはCPR(心肺蘇生法)を1分待つごとに生存率が75%から10%にまで低下してしまうという統計を発表しています。そのため、一刻も早い処置によって患者の命を救うことが可能になることを狙いとして、ドローンによる医療器具の運搬に期待が大きく高まっています。
同時に、大手のネットショッピングサイトAmazonやFedexのような民間企業が、無人機での商品配送の可能性を探求しており、アプリケーション開発や実施のための規制プロセスが連邦政府で進んでいないと批判する声も聞かれているのが現状です。
2018年中に継続して行われるIPPテストは、配達ドローンをより広範にすることができる政策の枠組みを得るための重要なステップと考えられています。