ドイツはカナダに、中古の監視用無人機「ユーロホーク」の販売を検討しています。飛行に必要な部品がない状態ですが、販売価格は7億ユーロ以上とのことです。
国防省は野党左翼党の議員に、ユーロホーク航空機、2つの地上局、それとスペア部品の販売に関し、具体的な交渉を開始することを決めたと述べています。
地上局とは、宇宙にある探査機などとの通信のために設計された地上の無線局です。
AP通信によると、2018年9月19日付の政府の対応では、ドイツは現在、無人機の販売について、他の国や組織と交渉はしていないと付け加えています。
月曜日の発表によると、ドイツの国防省は、カナダとの協議を予定していましたが、販売価格や日にちの予定についてコメントを避けたということです。そのため、ベルリンにあるカナダ大使館の関係者らは、すぐにはコメントができませんでした。
ドイツは2000年に、アメリカに本社を置くノースロップ・グラマン社のグローバルホークを改良し、長距離偵察に使用するように命令しました。しかし、コストが急騰し、さらに試作品の航空機がヨーロッパで飛行することが認可されていない事実が発覚し、注文をキャンセルしました。
そして、2013年当時の国防相トーマス・デメジエール氏は、ドローンが棄却されたことを認め、議員に「終わりのない恐怖よりも、恐ろしい終わりの方が良い」と述べました。
その後、2017年に政府は、2007年から行っている通信傍受センサー“ISIS”の原型とスペアパーツの開発と調達、7回のテスト飛行にかかったコストが約6億8千百万ユーロであると認めました。さらに2千4百万ユーロを、一時的なテスト飛行の準備に使い果しました。
政府からの左翼党に対する、まだ公表されていない最新の応答によると、ドローンはすでに「非武装化」されています。この作業には、アメリカ製の無線機、GPS受信機、アンテナだけではなく、すべての暗号化および飛行制御システムの撤去が必要でした。
技術者たちは、個々のソフトウェア部品を苦労して撤去するよりも、アメリカ製の傷つきやすいソフトウェアを含むハードウェアを取り外し、「アンインストール」を実行しました。
防衛サイト“Augen Geradeaus”を運営する、ドイツのジャーナリスト Thomas Wiegold氏は「GPSナビゲーションも、飛行制御システムもなければ、ドローンはほとんど飛ぶことができないでしょう」と述べています。
政府に疑問を呈した左翼党の議員Andrej Hunko氏は、ドローンは今や“屑値”しか持っていないと述べ、そのうえで「ドローンの売却はせいぜい支払った税金のほんの少ししか取り戻せないでしょう。損失額は数億ユーロ、あるいは数億ドルになると予期しています」と、彼は続けました。
Hunko氏は空中軍事偵察に反対していますが、ドローンの地上局は、まだ市場価値を引き出す可能性があると語りました。
(画像引用:https://abcnews.go.com/Technology/wireStory/germany-sell-costly-rarely-drone-canada-58042248)