アメリカの中南部を中心に電力を提供するコロラド最大のXcel Energy(エクセルエナジー)が、BVLOS(視覚外小型無人機)の飛行によって、伝送路を検査するための認証を取得しました。
ビジネスワイヤー社のプレスリリースによると、Xcel Energyは、すでにデンバー付近の伝送路の点検のために、ドローンの実施点検を行ったとしています。
Xcel Energyの代表取締役兼CEOであるベン・フォウク氏は、今回の試みで無人機を事業の一環として統合できるだけでなく、顧客のグリッドの維持と保護するための安全性の確保、効率性、コスト削減へつながるとして、今後の技術進歩へも期待を寄せていると語りました。
これまでに商業用のドローンとして、ノースダコタ州のフライトレックスが食品供給や、サンディエゴではテレプレゼンスプラットホーム(頭部や腕が稼働する擬人化されたドローン)なども登場しています。
このような商業用のアプリケーションが標準化されれば、人類および業界にとっても無限大の効率性と利便性を広げる効果をもたらすとして、Xcel Energyが技術推進の一部を担うことができたと、ベン氏は考えを明らかにしました。
連邦の監視下のもと今週行われた検査は、コロラド州プラッツビルで2台のカメラを搭載した35ポンド(約15キログラム) のドローンは、80キロメートルにもわたるルートに沿ってデータ収集作業を行いました。ドローンの運転作業は、免許をもつドローン運転士によって行われています。
Xcel Energyが作業用のドローンを起用するに至った経緯について、エクゼクティブバイスプレジデントであるデビット・エイビス氏は、コロラドの様な山岳地において無人機を投入することは合理的であるという見解を示しました。
山と遠隔地に囲まれたコロラドでは、人の作業で電力線の点検をするのは非常に困難です。従業員の安全と作業の効率性から考えても、無人機投入は長期的な業務向上にもつながります。
なお、コネチカット州にある電力会社Eversource Energy(エバーソースエナジー)社へ、独自のドローン開発へのイニシアチブを多くの企業が持ちかけていますが、現在、検査用として使用できる認可を取得しているのはXcel Energyのみです。
2017年、Xcel EnergyはFAA(連邦航空局)の安全パートナーシップの締結を正式に交わしており、点検用ドローンの試行は驚異的な進化を遂げていくこととなるでしょう。