オーストラリアの電気通信会社Telstra(テルストラ)は、携帯通信とドローンを使って、災害時に役立つ無人機の開発に力を注いでいます。
テルストラの研究チームは、2019年に開催されるメルボルンでの定期カンファレンスでの正式な発表を目指して、日々実験を施行しているところです。
ドローンにはネットワークケーブルを直接接続し、モバイルタワーからのサイト拡張の無線回線を介することによって、狭い地域でネットワークをカバーできる小型のセルが取り付けられています。
この機能によって128コールを同時に受信でき、接続中は最大4,000コールまで増大することが可能です。
今回の実験で使用されたドローンでは、一人のパイロットが複数のドローンを操作し、洪水や火事が発生している地点をピンポイントで察知することができるスペックを紹介しました。
現在実験中のドローンには、すでにコンピュータビジョンソフトウェアが搭載され、対象物の識別が正確にマッピングできるため、どの地域に、どれくらいの人と車両などが隔離されているか、判断が容易にできます。
さらなる課題として、5G対応のハードウェアとソフトウェア融合により、非常時に災害救助員達がいち早く災害場所を認知できるクリアな映像がストリーミングできる機能を備えたいとしています。
アメリカを襲ったハリケーンフローレンスでは、保険会社が保証対象の認証のために、ドローンを使用して災害後の記録を行っています。
2017年に起こったハリケーンマリアでは、たった1台のAT&Tをキャリアとするドローンがセルタワーとなって40平方キロメートル、東京ドームにして約8,500個にも相当する広範囲のネットワークをカバーし、被災者のコミュニケーションをサポートしました。
テルストラは2018年2月に6,000万ドルもの予算を費やして、ゴールドコーストに「5Gイノベーションセンター」を設立しています。
モバイルネットワークのアップグレードと共に5Gの基盤を構築し、世界でオーストラリアが一番の5Gアクセス国として出発する研究開発に打ち込むための設備投資でした。
5Gをドローンと融合させることにより、災害時にこそ必要となるネットワークのサービスをいち早く提供し、世界の人の命と生活を救うという大きな目的を果たす可能性が示唆されています。