サンフランシスコで開催されたTechCrunchのDisrupt Cupに、Startup Battle field Wildcard カンパニーとして参加したVtrus社は、ABI Zeroドローンと呼ばれる独自のドローンを発表しました。
このドローンには自動ナビゲーションと空間および物体認識(SLAM)ソフトウェア、コンピュータービジョンが適用されています。それによって、リアルタイムで倉庫などの大規模な屋内空間の3Dマッピングや検査が可能です。
Vtrus社のCTOであるJonathan Lenoffは、これまでのドローンベースのセキュリティや解像度は、正確さに欠けると考えています。
大規模な空間の動向を検出してマッピングできるシステムは多数ありますが、複雑な屋内空間を詳細にスキャンし、再現モデルを作るシステムはありません。しかしながら、今回のABI Zeroシステムでは、それが可能になります。
自律飛行をする検査ドローンを手動で操作し、検査の前段階の分析で正確なマッピングのデータを作成することで、作業の安全性を高めることができます。
ドローンはランチパッド(充電ステーション)から離陸し、GPSを必要とせずに飛行すると同時に、マッピングを開始します。
一回の充電で約10分飛行可能で、Wi-FiとVtrus社のリアルタイムのクラウドサービスを介して、コンピュータにデータを中継できます。
ABI Zeroドローンによる詳細なマッピング作成の様子は、こちらをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=aB2bqNz8R04さらにABI ZeroドローンはRBGカメラ、360度カメラとstructured-light方式の奥行きセンサーに至るまで、さまざまなセンサーを備え、毎秒30回、一度に30万箇所の深度を計測します。
そのうえで、計測したデータを搭載された他のカメラと関連づけ、上に示したような詳細な3Dマップを作成します。
ワイヤレス充電と屋内検査、高度な3Dマッピング技術と組み合わせたドローンは、より大規模な施設を包括的に検査することを可能にします。
今回の発表は、娯楽的なドローンの使用においては、あまり意味が感じられないことかもしれません。
しかし商業的なドローンの用途としては、検査にかける人員などの経費削減を行う面でも、アセスメントを満たす面でも、次世代の技術的な選択肢になりそうです。
Disrupt SFでは、まだ公開されていないハードウェアのプラットホームがプロトタイプの段階にあるとはいえ、検査ビジネスについては保証されているも同然です。
今後、破裂や断線の可能性がある配線や配管部分の検査は、人手ではなくABI Zeroドローンで行ってみるという選択肢も出てくることでしょう。
なお、Vtrus社は自己資金で運営されるスタートアップ企業で、既製のドローンのハードウェアにSLAMとコンピュータービジョンを活かした素晴らしいソフトウェアを組み込むことに成功しました。
検査の従事者にとって、より使いやすい完成品を目指しているABI Zeroは、将来的に重要なドローンを用いた検査システムになる可能性が高いといえます。