ハリケーンシーズンのアメリカでは、ドローンを使った災害対応がなされています。
ドローンメーカー“CyPhy Works”は進化した空中偵察機能と通信システムを搭載したドローン、通称“PARC”を持って取り組んでいます。
PARCは有線ドローンでありながら、安全な通信と高い飛行耐久性を備えており、利便性も高く地上にある発電機を使用すればどこからでも起動することが可能です。
有線である事から操縦者は飛行操縦ばかりに気を取られず、情報収集と目的達成に集中することが出来ます。
耐久性はハリケーン直後の強風の中でも機能する頑丈さを備えています。この頑丈さは米軍の高い要求にも応えるほどです。
また、政府や他の通信会社、赤十字社などと協力して災害時のドローンを使った支援や、ボストンマラソン・アメリカ独立記念日などの大きなイベントの際の安全確保ツールとしても使用されました。
CyPhy Worksの最高技術責任者であるローラ・メイジャー氏はPARCについて以下のように説明しています。
「PARCの主な役割は被災地の災害査定をすることにあります。ハリケーンの後は出来るだけ早い支援物資配布等を行うために迅速な被害状況の確認が必要です。
これまでは救助隊員などが足を使って被害状況の確認をしていましたが、時間を要する困難な作業です。またそれはより多くの人々を危険な地へ送り込むという意味でもあります。」
メイジャー氏は続けて、
「数分で起動し、高出力な撮像装置を備えたドローンを使用する事でより早く、安全な災害査定が可能になります。PARCを使う事により、人員を危険な地へ送り込む事をせずして被災地を地上から災害査定する目を持ち得るのです。
PARCで撮った映像はオペレーションセンターを通じて広範囲に人々のネットワークへと繋がり、必要な情報を、必要としている人々に届ける事が出来ます。
この情報配信により災害管理は更に効率的で効果的になります。
スピードは非常に重要です。より早く情報を得て、建造物や環境被害の状況を把握する事でより良い対応計画を練ることが可能になるのです。
地上の状況データを集める事に加えて、PARCは通信インフラが遮断してしまったエリアに通信サービスを提供する事もできます。これは被災者や対応チームにとって大きな利点です。
2017年のPARCの主な変更点は、あらゆる通信ミッションを可能にするため、無線ラジオや電話機能、カメラ機能を搭載しました。
雨や風、雪など通常の有人航空機が墜落するような状況でもPARCは墜落する事無く空中に留まる事が可能です。
カメラから通信システムまであらゆる機能を搭載する事の出来るこの技術はこれからもどんどん進化していくでしょう。」
とコメントしています。
今後の進化に期待が高まります。