米先住民居住地域の害獣対策にドローン導入 目視外飛行で効率的運用目指す

更新日: 2018.08.21 公開日: 2018.08.21
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米国オクラホマ州中央部に位置する、先住民族チョクトー族の居住地域「チョクトー・ネーション」では、作物を荒らす野生のブタへ仕掛ける罠にエサを補充するためのドローン利用が試験されているようです。

この試みは、現状の法規制に縛られない柔軟な形のドローン運用を目指す、米運輸省主催のドローン試験運用プログラムに採用され、運用されています。

罠にエサを補充する仕組みはかなりシンプルです。罠に仕掛けるトウモロコシをドローンで運んで、それを罠の中に落とすだけです。これにより、これまでは手作業で行っていたエサの補給を迅速に効率的に行えるようになり、時間短縮と費用削減に繋がります。

ドローンによるエサの補充は、罠の状況を確認して回る意味でも重要です。チョクトー・ネーションの敷地はあまりに広大なため、人が車で移動していくにはかなりの時間がかかってしまいます。もちろん罠にかかった豚への対処は、人間が手作業で行う必要がありますが、豚が罠にかかっているかどうかを確認する役割は、ドローンが担っています。

また、FAA(連邦航空局)はチョクトー・ネーションでの試験運用にあたり、法規制範囲外の運用も許可しているため、夜間にオペレーターの目視外での飛行が可能です。

今回の試験運用は、とても二ッチな利用法にも思えますが、広大な土地に点在するスポットを点検し、変化があった場合そこに何らかを投下するというルーティンを確立することは、農業をはじめ、大規模な国立公園の管理など、多くの場面での応用が期待できます。

チョクトー・ネーションのアドバイザーを務め、オクラホマ州ノーブル研究所で農業用ドローンの開発を行うマイク・コンプ氏は「ドローンは農業のテクノロジー導入において大きな役割を果たしており、今後自動飛行の精度がさらに高まっていけば、ドローン農業は次の段階に入ることになる」と自信を見せました。

日本国内でも年内に条件付きで目視外飛行が解禁される予定です。その時、どんな新しい利用法が生まれてくるのか、注視していきましょう。