中国・広東省に住む40歳の発明家、趙徳力さんは、過去2年間バイク型ドローンの開発を行っており、すでに1,564回のテスト飛行を行っているとのことです。趙さんが製作したドローンバイクは、最高時速70キロにも達するようで、それが正確な数値ならば、まさに「空飛ぶバイク」と言える性能です。
趙さんはドローンバイクに、西遊記にあやかって「筋斗雲」と命名し、日夜開発に勤しんでいます。今でこそ自由自在に空を飛び回る筋斗雲ですが、その道のりは平坦なものではなかったようです。
趙さんは2008年からドローンに熱中、ビジネスチャンスを感じたことからすぐに販売会社を設立し、経営を続けたものの、2016年にあえなく倒産。この2年間は筋斗雲の開発に熱中してきました。
最初のテスト飛行では、バッテリーが火を噴き、炎上。その1年後には、テスト飛行中に墜落したこともあったようです。しかし1,564回ものテスト飛行を経て、趙さんの筋斗雲はいよいよ洗練され、今や自由に空を走行できるようです。
趙さんは最終的な目標として、筋斗雲での「黄河の全走破」を掲げていますが、全長5,464キロに及ぶ大河の上を飛行するには、乗り越えなければならない壁があります。ドローンを語るうえでしばしば課題に挙げられる、連続飛行時間の壁です。
現在の趙さんの目標は、黄河全走破を達成するために、筋斗雲の連続飛行時間を現在の30分から引き上げることのようです。また、筋斗雲が個人的な利用だけでなく、農業に広く利用されるようになることも将来的な目標の一つとのことです。
かつてSFで描かれた「空飛ぶバイク」は、ドローン技術の発展によって、今にも実現可能な技術になっています。