立命館大学の研究チームが、ドローンと電波発信機を使った新たな遭難者救助システムを発表しました。同システムは、登山者など遭難のリスクがある人にあらかじめ電波発信機を携帯させることで、万が一の遭難の際、ドローンでその電波を受信して早期発見を助ける仕組みとなっています。
同システムで利用される電波は、障害物の影響を受けにくい920メガヘルツと、障害物に反射する2.4ギガヘルツの2種類となっています。これらの電波強度の違いを測定することで、遭難者が地表上にいるか、土や雪に埋もれているかを判別できます。
ドローンは自律飛行で周囲を探索し、電波が最も強い方向へ向かいます。遭難者の位置を特定すると、拠点に帰還し、救助隊に遭難者の位置情報を知らせます。
もし遭難者が埋もれていると判断した場合は、正確な位置特定よりも、まず救助隊への報告を優先させるなど、臨機応変な対応も可能です。
電波発信機を携帯させることによる遭難者救助システムは以前より運用されていましたが、電波の有効範囲が狭く、位置特定に時間がかかるのが課題でした。今回は小回りが利いて広い範囲を探索できるドローンと組み合わせることで、有効範囲の問題を解決、早期の発見を可能にします。
今後、複数のドローンを連動させることで、より広い範囲の探索を可能にする計画も進行中とのことです。