和歌山県白浜町のIT企業、クオリティソフトは、上空150メートルから、周囲300メートルの範囲に緊急アナウンスを届ける「AIアナウンサードローン」を発表しました。
開発のきっかけは、避難誘導中の消防士が死亡した事例や防災無線が聞き取りづらいエリアの存在とのことで、2017年10月から開発が続けられていました。
これまでは消費電力やプロペラ音の問題から、ドローンを用いた緊急アナウンスシステムはうまく動作できないことが多かったようですが、遠方に音を伝える能力の高い「圧電スピーカー」を採用することで、上空からのクリアなアナウンスを実現したとのことです。
アナウンスする文章をあらかじめ日本語で入力しておくと、AI翻訳により25カ国語がドローンに送信され、音声でアナウンスされます。マイクから音声を出力することも可能で、臨機応変に避難方向などを指示できます。
利用用途は緊急時だけにとどまらず。イベント会場での誘導や、密猟者や侵入者に多言語で警告を発するなど、様々なバリエーションが考えられます。
価格はソフト含む一式で200万~250万円と想定されており、自治体の災害対策での導入にも期待したいところです。