完全自動で飛行から充電まで行うドローン監視システム 欧州企業が開発中

更新日: 2018.07.30 公開日: 2018.07.30
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スペインのドローン企業Avansigは、ドイツのドローン充電器メーカーSkysenseと協力して、多国籍セキュリティ企業Prosegurのために自律型屋内監視ドローンを開発中のようです。

Skysenseのプレスリリースによると、Avansigのドローンは、自動で屋内パトロールを行い、バッテリー残量が低下すると、自動で充電ステーションに帰還する仕組みになっています。

ドローンはビルを巡回しながら、映像を録画しつつライブストリーム再生が可能で、不審者に対して警告を発することも可能です。

高層ビルに何百もの監視カメラを設置する大企業の場合、1フロアあたり1機のドローンを配備すれば、大幅にコストを軽減し、さらに実用性を高めたセキュリティソリューションとして機能する可能性があります。

Avansigのデイビッド・トゥーリオCEOは「ドローンは監視ツールとして最も効果的でコスト効率が高い。それほど多くの機体を導入する必要はないし、ドローンと同じエリアを監視カメラでカバーしようとしたら、かなりのコストがかかってしまう」とドローン導入の利点について語っています。

さらに、Skysenseが提供する自律充電機構により、ユーザーが手動で充電したり、バッテリーを交換しなくても済むようになるため、システム全体が自動化されることになります。

トゥーリオ氏は開発初期から、完全な自動飛行には、自動で充電を行う機構が必要であると考え、協力企業を探していたとのことです。

トゥーリオ氏は続けて「我々は他の企業とも接触していましたが、ソリューションがより成熟していると感じてSkysenseを選択した。その機構は信頼性が高く間違いなく動作し、シンプルで、充電時間も短い」とSkysenseとの協力に至った背景を説明しました。

商用ドローンのアプリケーションは現在高い水準で開発されていますが、現在規制によりその真価を発揮できているとは言い難い状況です。このジレンマを打破するための試みが各地で行われています。

英国では最近、ユーザと規制当局の現在の状況によって想定される社会的なドローン使用の優先順位と問題に関する225ページの報告書が発表されました。

米国では、企業が規制の範囲を超えて様々なサービスをテストできるように、政府主導のドローンプログラムを実施中です。

SkysenseとAvansigの試みは、屋内用途に焦点を当てるによって、屋外で厳しき規制されるドローン飛行のルールに縛られることなく、高度なドローンソリューションを提供できる意欲的なものです。

このシステムがプレスリリースの通りに機能するなら、巨大企業がセキュリティシステムの自動化とコスト削減に魅力を感じない理由はありません。近い将来、高層ビルの内部をドローンが飛び交う光景が当たり前になるかもしれません。