エアバスもドローンによる大規模ネットワーク供給を計画中 9月にも飛行開始か

更新日: 2018.07.24 公開日: 2018.07.24
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太陽電池を利用して長期間飛行するドローンによって、ネットワークが未整備の地域や、災害被害を受けた地域へインターネット環境を供給することを目的としたFacebookのAquilaプロジェクトが断念されたのは記憶に新しいことですが、Aquilaプロジェクトだけがドローンによるネットワーク供給を目指していたわけではありません。

エアバスは長年旅客ドローンの開発に注力していると思われてきましたが、どうやらネットワーク供給ドローンの開発も行っているようです。同社が開発中のネットワーク供給ドローン「Zephyr S」は9月から飛行を行う模様です。

Zephyr Sは翼幅が82フィート(25メートル)でありながら、重量が165.3ポンド(75キログラム)と、その大きさに対して信じられないほどの軽さを誇ります。高度21kmで成層圏内を航行するように設計されているZephyr Sは、商用航空機とのニアミスすることもなく、動力源の太陽エネルギーを継続的に受け続けながら、地上へインターネット環境を整備します。

現在のZephyr Sは14日間補給なしで飛行を続けられる設計となっていますが、エアバスは今後それを100日間へ伸ばし、1日に1,000海里(1852km)を飛行できるようになることを理想としているようです。

また、Zephyrの構想は10年以上前からあったものの、当時のテクノロジー水準がその実現を許してきませんでした。ただ、現在のバッテリーやソーラー技術発展のおかげで、ついに研究が進むようになってきたとのことです。

Zephyrプロジェクトは過去に研究開発目的で多数のプロトタイプを製作していますが、Zephyr Sは当初考えられていたモデルを実現したものになります。今後イングランドのファーンバラで生産を開始する予定のZephyr Sは、2018年9月にオーストラリア西部のウィンダムで導入されるようです。最終的には、安定した電話回線やインターネットサービスが必要な地域に無人でネット環境を供給することを期待されるZephyr S、うまくいけばネットワークインフラに大きな変革をもたらす存在となるかもしれません。

(画像引用:http://www.thedrive.com/)