伊那市がドローンを使って物流の実証試験へ 長野県

更新日: 2018.06.12 公開日: 2018.06.29
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長野県伊那市は、2018年度に小型無人機ドローンを用いて、市内を流れる天竜川と三峰川の上空を飛行させる物流の実証試験を開始します。

飛行経路や運搬物などの詳細はこれから決定します。3年計画で、実用化に向けた事業モデルの構築をめざします。

2018年5月28日に発表した今年度の一般会計補正予算案に、関連費用として5,700万円を盛りこみました。

市企画政策課では、物流事業者の人手不足対策として、市街地と山間地域でドローンによる物資輸送を実現し、店舗が少ない山間地域で「希望する土地に住み続けられるようにするための手段」とする狙いです。

同課によりますと、民家などの上空を飛行させる場合は民法上、地権者からの許可が必要となり、ドローンが落下した場合の危険性も存在します。

市では、天竜川と三峰川を管理している国土交通省と協議を行い、川の上空を飛行させる同意を得ました。

今後は、河川に掛かる橋の上空を飛行する際に、橋を人や車が通っている場合の対策などを検討することにしています。

将来的な計画としては両方の河川の支流においても上空を飛行できるようにし、輸送範囲を拡大したい考えです。

3年間の事業費として約1億6,000万円を予定しており、今年度分は国の地方創生推進交付金で予算の半額を賄います。

伊那市は2017年10月にも、ドローンの最新技術を紹介するイベントを市内で開催しています。同年11月には同市長谷において、郵便局を発着場としてドローンが米などを運搬する国交省の物流試験が実施されました。