本格的な登山シーズンを前にして、栃木県警地域課などが2018年5月28日にヘリコプターや小型無人航空機ドローンを使用して、遭難者の捜索と救助を行う訓練を宇都宮市の警察学校で実施しました。
この訓練には、航空隊や県内8署に所属する山岳救助隊などを含めて46人が参加しました。訓練は、怪我をした遭難者が高い崖の上にいると想定して行われました。
ドローンを使用し、崖とみなした高さ約11メートルの鉄骨製のタワー上にいる遭難者を発見し、救助隊がロープを用いて担ぎ下ろす訓練と、上空で一時停止しているヘリコプターにひき上げる訓練を行いました。
栃木県内では今年に入ってから5月28日までに13件の山岳地帯での遭難事故が発生しており、2017年の同時期と比較して5件増加しています。
県警地域課長補佐を務める山本雅隆氏は「高齢者や単独での登山者が遭難する事例が多い。力量に見合った山を選択し、登山届けの提出を徹底してほしい」と話しています。
那須町湯本の雪山では、2017年3月に登山講習会に参加していた生徒7人と教諭、合わせて8人が亡くなった雪崩事故を受け、県警では2017年5月8日に宇都宮市内で雪山遭難での救出および救助の訓練を実施しています。
訓練では、新たに導入した最新鋭の小型無人機ドローンなどの捜索用資器材を利用し、緊急時の被害を最小限に止めるため、これまでは本格的な装備ではなかった県警山岳警備隊の充実を図ることになったという経緯があります。