コロラド州ボルダーに本社を置くドローン企業のブラック・スウィフト・テクノロジーズは、NASAと契約を結び、金星の上空大気をドローンで調査することになりました。
ブラックスウィフトの創業者、ジャック・エルストン氏は「NASAは雲のすぐ上の層をドローンで調査しようとしている。特に大気中の有機物質やその痕跡を探すことが目的だ」と背景を話しました。
契約は6カ月間で12万5,000ドルで、ブラック・スウィフト社はドローンの提供と、それを適切に運用するために必要なソフトウェア設計を行います。
また、今回の資金は、科学的卓越性とイノベーションを支援するために政府によって設立された「中小企業イノベーションリサーチプログラム」から拠出されます。この契約により、ブラック・スウィフトはその任務を達成するために追加人員を雇用することもできます。
エルストン氏は続けて「金星の気圧と温度は地球と似ているので、生命の痕跡を探すうえで良い環境になるかもしれない。ただ金星の上層大気の風は非常に強く、設計上十分考慮しなければならない」と付け加えました。
6カ月の契約期間が終了すると、ブラック・スウィフトはNASAに報告書と今後の計画書を提出し、契約続行の可否が判断されます。
エルストン氏は「もしNASAが我々のドローンを気に入れば、プロジェクトはさらに2年延長されるだろう。第2段の契約は75万ドル前後を想定している」と今後の展望を語りました。
ブラック・スウィフトはこれまでもNASAと協力してコスタリカの火山ガスを研究してきました。また、2018年後半には地熱活動のさらなる調査のために、ハワイでの調査も行われる予定です。ハワイから金星に至るまで、ドローンの活用範囲は地球規模を超えた展開を見せています。
(画像:Black Swift Technology)