アワビ、イセエビを密漁する暴力団や外国船 ドローンで監視 徳島大

更新日: 2018.06.12 公開日: 2018.06.21
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豊富な海の幸に恵まれた日本で、高級魚や貝の密漁が行われていることを知っているでしょうか。暴力団や外国船によるこれらの乱獲は、今後の日本の食卓事情をも変えてしまうほどの危険を孕んでいます。

徳島大学大学院の社会産業理工学研究部で准教授を勤める三輪昌史氏は、複数の漁協から依頼を受けてドローンでの密漁監視の試験を行ってきました。

「私が漁協での密漁監視に興味を持ったのは2016年末からで、徳島県の伊座利漁協が初めだった。ドローンを密漁監視に利用する考え方は前から存在したが、試験まで実施したのは日本でも早い方だったと思う」

この試験では、上空から詳細な画像が撮影できることを確認し、実際の活動を想定してデータの収集が行われました。今年はさらに進展し、和歌山市の加太漁協の依頼で夜間監視の試験も行いました。

「監視場所での風や地形の影響によって、導入が困難な場所もあるものの、ドローンでの密漁監視は、技術面では実用化が見通せている」

しかしながら、課題はやはり費用とのことです。

「カメラを搭載したドローンは200万円程度の費用が必要となる。操縦にはある程度以上の技量が必要になるし、自動操縦も様々な準備が必要だ」

三輪氏によれば「数年内に実用化が成される可能性が高い」と語ります。

「私たちの研究室のドローンでも風速毎秒20メートルの条件で飛行できるようになった。密漁監視を事業にする会社が出現すれば、コストの問題も解決されていくことだろう」と述べています。