ドローンで上空から稲の種蒔き 東広島市で実証テスト

更新日: 2018.05.31 公開日: 2018.06.16
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田植えでの労力低減や費用削減を実現しようと、東広島市のJA広島中央が小型無人機ドローンを使用し、水田に種子をまく新しい実証テストを始めました。

他県においては無人ヘリコプターを使用する例はありますが、ドローンの利用は全国的にみても珍しいとのことです。

JA担当者は「若手からの新規参入を促進したり、高齢化による人手不足を解消できたりすれば良い」と期待しています。

テストはJA職員で同市西条町の溝西優さんが所有する水田で行われ、関係者約10人が参加しました。

JAが所有するドローンに“あきさかり”の種子を12キロ入れたタンクを取り付け、高さ約2メートルから、水田の全体に種を散布しました。

溝西さんによりますと、田植え機で苗を植えるこれまでの作業では約1時間掛かっていましたが、ドローンを使った場合には、これまでの6分の1となる約10分まで短縮されました。

今回のテストでは、1箱が約5キロの重さがある苗鉢を約40箱運ばなければならない力仕事も必要なくなり、省力化が実現できたといいます。

JA広島中央では近年になって、苗作りにかかる手間が削減できるため、直播きによる栽培技術を研究しています。そこで、安定して低空飛行を行えるドローンを使用することで、住宅近接地や中山間地にも導入できるとしています。

溝西さんは「早く作業ができるし、汚れなかったのでとても楽だった。今後は、稲刈りをやってみて、苗植えと同等の収穫を得られるかどうかが重要になる。可能性のある試みなので、さらに研究を行いたい」と話していました。