長野県は2018年度、中山間地にある田畑でドローンを使用した病害虫の予防駆除を行う実証テストを実施します。
基盤整備が行われた平地と比較して、耕作面で難点のある中山間地で、機敏な飛行が可能なドローンを使って予防駆除の効率や費用などを確認します。
県によりますと、県内の農家が所有している耕地面積の中で、中山間地は実に54%を占めているといいます。
中山間地では、農家の高年齢化や労働力の不足が深刻で、効率の高い予防駆除の方法を編み出し、農作業の継続に繋げることが狙いです。
実証テストでの散布は、さいたま市の関東甲信クボタに委託し、米と麦で各1ヵ所の田畑で行います。
直径が約1.5メートルのドローンに薬剤が入ったタンクを積み、作物から2メートル程度の高さから散布して、その後、薬剤の散布具合や病害虫の発生状況などを確認します。
予防駆除作業に必要な時間、操作の容易さ、費用と効果のバランスなども調べ、3年間のうちに2年までデータを収集し、残りの1年で普及に移行させる計画です。
大規模農地では、1回で広範囲を予防駆除できる無線によるヘリコプターを使って、効率化を目指しているところもありますが、中山間地では地理的な制約から導入が困難です。
県の農業技術課では「将来は自動的に飛行ができれば、農家の負担を大きく減らすことができる。生産性向上や高品質な作物の安定した生産につなげたい」としています。