農薬散布でドローンを利用 JA三島函南が 露地野菜では静岡県として初

更新日: 2018.05.18 公開日: 2018.06.03
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三島市のJA三島函南では、ドローンを利用して露地野菜へ農薬を散布する方法の実用化へ向けて取組みを行っています。

この取組みは、農家の所得を向上することが目的の労働力支援事業の一環で、こうした方法は水稲で実用化されてはいますが、露地野菜を対象としたケースは県内で初めてといいます。

2018年4月下旬に同市川原ケ谷の畑で生産従事者や行政部門、関係機関に呼び掛けて実演会を開催し、約20人が参加しました。

ドローンや産業用の無人ヘリコプターの教習と整備などを担当している業者からの説明を受けた後、農薬の散布具合や野菜に対する影響などの確認を行いました。

説明では、散布方法などの具体的な質問が数多く出され、農家のドローンに対する関心の高さが感じられました。

三島市や函南町では、急な傾斜地で野菜が栽培されており、農薬の散布は時間もかかり、生産者の負担は大きいものがありました。ドローンを導入することで、作業時間は約3分の1以下とすることが可能な見込みといいます。

農業従事者の労働負担を軽くすることにより、農地の拡大を進め、所得の向上を目指します。実演会で農地の提供を行った男性46歳は「実用化されれば作業の効率が上がる」と期待しています。その一方で、運用コストやパイロットの養成などで課題があります。

JA指導開発課次長の遠藤弘崇氏は「農家の声に耳を傾けながら、問題の解決や実演で判明した課題を改善し、実用化へとつなげたい」と意気込んでいます。