米国フロリダ州リー郡のフォートマイヤーズでは、ドローンを利用した蚊の駆除が実験的に行われます。今回の実験はドローンの幅広い産業利用を目指すトランプ政権主導のドローンプログラムの一環で、蚊の幼虫が群生する場所をドローンで探索します。
これまでドローンによる蚊の駆除の施策として、南米において生殖能力のない蚊をドローンから散布して長期的に個体数を減らしていく策がとられたことがありますが、今回はまた違った方法でのアプローチとなります。
リー郡の公的蚊駆除組織・Mosquito Control Districtの広報担当エリック・ジャクソン氏は、「我々は蚊の監視のために実際に運用できる方法、特に蚊の幼虫がどこにいるのかを知るための方法を検討している。蚊の幼虫が成虫の蚊になる前に追跡するのは非常に難しいが、ドローン技術を活用することでより簡単に追跡できるようになることを願っている」と述べています。
現在同組織の検査官は蚊の幼虫を探索するために蚊が多く繁殖している場所で作業していますが、そこでは成虫の蚊も多く生息しており、検査官は虫さされに悩まされています。生身の検査官の代わりにドローンで探索を行えば、その悩みは解消されます。
2017年11月にトランプ米大統領によって発令された大統領令に端を発するこのドローンプログラムでは、規制にとらわれない柔軟なドローン利用の実験を通して、どんな種類のドローンがどのような作業に向いているか、最大限に活用できるようにはどのようにすればいいのかを探る目的で行われます。
ドローンで蚊を追跡することは、ドローンで物品を配送することほど産業界にとって重要ではないかもしれませんが、古くから人類を悩ませてきた問題に対する革新的方法です。同プログラムは今後2年半にわたって続けられる予定で、ドローンのさらなる産業利用のきっかけになると期待されています。