AIで飛行する「自立型救急ドローン」 カリフォルニア工科大学で研究進む

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.05.01
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画像引用:http://sanfrancisco.cbslocal.com/

米カリフォルニア工科大学において、緊急時に病院や医師への道を誘導、危険な区域から人を遠ざける役割を持つ自律型救急ドローンの開発が進んでいます。同大学の研究者は、自律型救急ドローンこそが、救急医療の未来の姿であると語っています。

モーリー・ガリブ教授は「我々はこのシステムをパーソナル救助システムと名付け、2年間開発している。ドローンによって患者を病院や医師とのランデブーポイントに素早く誘導することで、緊急時の医療導線が確保しやすくなる」と救急ドローンの有用性について述べています。

ドローンに搭載されたセンサーは、飛行中に患者のバイタルサインを検出するほか、様々な気象状況を検知して臨機応変な飛行に用いられます。現在、突風や煙など、種々の気象状況をシミュレートできる壁型装置を使って、自立型ドローンがどのように対処できるか検証する実験が同大学で行われています。

心臓発作や脳卒中患者を輸送したり、災害時に孤立した人を安全な場所へ輸送する機能も、視野に入っているとのことです。

今のところ、実験には1/5スケールモデルが使用されています。実際に運用されるドローンは、小型自動車ほどのサイズで、人工知能システムによって操縦されます。

ガリブ教授は「ドローンを操縦する人工知能システムは状況を臨機応変に判断し、人命を最優先に最良の決定を下すことができる」と語っています。2018年中に、実物大モデルのドローンを用いた長距離飛行試験を開始することが当面の目標とのことです。

実際にドローンが運用されるようになるには、早くても3〜5年はかかる見込みです。研究チームによると、ドローンは1回の飛行で最大20分間飛行することができるとのことです。