小型無人機ドローンを使用して、食品などの注文した商品を配達する実証試験が2018年3月26日に静岡県藤枝市で行われました。
この実証実験は、同市とインターネット通販大手の楽天が協力して実施しました。楽天によりますと、個人の居宅へドローンで配達する試験は国内では初めてといいます。
実験は同市瀬戸ノ谷地区で行われ、商品の配達先は市の中心部から約13キロ離れた山間地にあります。試験には、現地で生活している一人暮らしの高齢者と、子育て中の家族が参加しました。
スマホの専用アプリを使って弁当や文房具など商品を注文すると、800メートルほど離れた地点で楽天関係者が箱に詰めた商品をドローンに積み込みました。
ドローンは地区を通る瀬戸川の川ぞいを高度約60メートルで飛行し、およそ5分後に注文していた家族の居宅の庭に到着し、商品が自動的に下されました。
ドローンは、全地球測位システムGPSと搭載したカメラを使用して、正確な地点に着陸できるようになっているといいます。
弁当と総菜などを受取った片山繁さん85歳は、「買物できる場所が離れているため、自分で買いに行くのは難しい。ドローンで配達してもらえればとても便利になる」と笑顔を見せました。
楽天では今後も、実用化に向けて試験を重ねることにしています。河野一行副市長は「山間地に居住している人の支援のため、市としてドローンの利用に向けて準備を進めたい」と話しています。