琵琶湖で増殖している特定外来水生植物のオオバナミズキンバイなど、水草の繁殖把握に役立てるため、静岡県は無人航空機ドローンを利用し、上空から撮影を行うと決めました。
ドローンを利用することにより、湖岸に繁殖している様子を容易に把握することが可能となり、県では駆除の効率向上と巡回につなげることにしています。
2017年に先行して導入した民間企業の取組みを参考に、来年度の当初予算にて、ドローン1機の購入費として27万4,000円を計上しました。
県では、職員や委託先の業者などが陸上や船上から巡視する従来の方法よりも、省力化が可能で、働き方改革や財政改革にも合致するとアピールしています。
ドローンは琵琶湖だけにとどまらず、ニホンジカが生息している山林にも飛ばし、生態の把握などに利用することも計画しています。
なお、琵琶湖では2009年に外来水生植物のオオバナミズキンバイが初めて確認され、その後に生息域が急激に拡大して、2016年度には30万平方メートル付近までに及びました。
こうしたことによる生態系に対する悪影響が問題となり、県では駆除に毎年2億円以上をかけています。刈り取ってもすぐに繁殖するため、定期的な監視が必要な事態となっています。
県によりますと、2017年ごろから県が駆除を委託している複数の業者がドローンを運用し始めたとのことです。
上空100メートルから撮影を行った場合、数センチの解像度で判別することが可能で、赤外線カメラの利用や人工知能AIを用いた繁殖予想の試行もあったといいます。
県では「ドローン利用の場面は幅広く、有効性の高い駆除に役立てたい」としています。