神戸市消防局は民間事業者と協力し、神戸市六甲山での夜間遭難救助のドローン利用を目指して訓練を開始しました。
山岳遭難の捜索でのドローン利用は全国で進んでいますが、夜間での実用化は自治体ベースでは珍しいとのことです。
日没後は気温が低下するため、救助は一刻を争います。赤外線カメラを備えたドローンにより上空から遭難者を捜し、短時間での救助をめざします。
2018年3月1日夜、神戸市北区の森林で実施された初めての訓練では、市消防学校から約200メートル隔てた森林の上空にドローンを飛行させ、赤外線カメラで撮影した映像を送信しました。
操縦者の手元の画面にはセンサーで検出した体温が色別に表示され、遭難者役の人が手を振る様子を把握できました。
市消防局の特別高度救助隊隊長を務める山本大二郎消防司令補は「人の姿をはっきりと確認することができた。
夜間は体力を消耗するため、やみくもに動けない。ドローンを用いることで効率よく捜索できる」と話しています。
神戸市内では2010年以降、救助出動は年に70件前後で、2017年は71件のうち19件が午後5時以降の出動でした。
日没が近づいたため、慌てた登山者が道に迷う場合が多いといいます。夜間での捜索は多くの場合、異なる経路でそれぞれに救助隊が向かう人海戦術です。
同市では、2017年にドローンを用いた撮影などの事業を行っている4社と、災害時での利用について協定を締結しました。
今後は年数回の訓練を予定しており、条件が整い次第、実際の災害時に導入することを考慮しています。