NTTドコモは2018年3月1日、携帯電話の通信網を使用して2機以上のドローンを自律飛行させ、大規模な太陽光発電所設備を点検する実証試験の模様を報道陣に公開しました。
作業員が1機のみを操作するこれまでのやり方と比較して、労力の削減と作業時間の短縮化が可能といいます。ドコモでは今回の試験結果を踏まえて、年内にビジネス化を図る方針です。
同じような技術は、大規模な農場における農作物の収穫時期についての判断など、多くの分野への応用が期待されるとしています。
試験は、鹿児島県日置市で地元企業が運営している太陽光発電所で行われ、ドローン3機があらかじめ設定されたルートを別々に飛行しました。
遠赤外線カメラを用いて太陽光パネルの温度を測定し、故障などの不具合によって生じる温度が高くなっている部分がないかを確認しました。
測定したデータは保存され、解析した結果が自動的にまとめられます。飛行するドローンがお互いに接触することのないよう、接近すると操縦者の端末の画面上に注意を促す機能も備えています。
技術開発を行ったドコモによりますと、点検に必要となる時間の大幅な短縮化が可能であり、目視による作業と比較して、不具合箇所を検出する能力も向上するといいます。
担当者は「保守管理を担っている企業と協業を行い、関連する費用の削減に役立てたい」と話しています。