インターナショナル・ドローン・レーシング・アソシエーション(IDRA)が、慈善団体であるミラクル・フライトとパートナーシップ協定を結ぶ事を明らかにしました。
ミラクル・フライトは、高度医療を必要とする経済的困窮家庭の子どもに対して渡航費用の支援などを行うチャリティ団体で、2018年のドローン・レーシング・シリーズチャレンジャーズカップのオフィシャルパートナーとなります。
今回、両者がパートナーシップ協定を締結した理由は2つあります。
世界には致命的な病気を抱えた子どもたちが多数おり、ドローンによって救える命があるのです。その社会意識を向上させるというのが1つ目の理由です。2つ目の理由は、意識向上によって募金活動を活発化させ、子どもたちの生活水準を向上させる事です。
ドローンは、人道支援における大きな助けとなってきました。被災地や紛争地域に必要な物資を届けたりすることに、ドローンが役立っています。中には、ドローンそのものを食料にするという新たな発想から、食べられる材料で出来たドローンも開発されています。
IDRAとチャリティ団体ミラクル・フライトによって計画されているこの試みは、病気で医療処置を必要としているものの、住まいの近くに病院や医療施設がないという子どもたちを助けるものです。
2つの団体が協力してこの慈善活動を宣伝することで、より多くの人に、病気の子どもたちが苦しんでいるという事実を知ってもらう事ができます。
今回の協定によって展開される慈善活動は、自動運転車にサテライト・ドローンを導入したり、ドルチェ&ガッバーナのファッションショーにドローンを使用したりする、商業的なものではありません。
あくまでも、病気によって絶望的な状況にある子どもたちを、ドローンによって救うのが目的です。
IDRAのCEOであるジャスティン・ハガティー氏は「ミラクル・フライトは、世界中の病気に苦しんでいる子どもたちに、幾千ものドローンによって助けの手を差し伸べる、素晴らしい非営利団体だ。私たちはこのような組織とパートナーシップを結べる事を誇りに思っている」と述べています。
ミラクル・フライトは、医療処置を必要とする重病を抱えた子どもたちのために、すでに114,000回ものフライトを実施しています。
ドローン技術は発展途上ではあるものの、これまで配送や輸送といった分野でさまざまな革新をもたらしてきました。一方、今回の協定が目指すのは「心から誰かを助けたいという動機で、ドローン業界に革新をもたらす事」であると言えます。