大分県は2018年3月9日に、小型無人機ドローンを利用して山間地域の集落へ食料品を運ぶ宅配サービスの実証試験を佐伯市宇目で実施しました。県では実用化を目指して「買物弱者」の対策に役立てることにしています。
今回の試験では、大型ドローンでおよそ10キロの日用品を運搬しました。宅配用途でこれだけの重さの物資を一回で輸送したのは日本で初めてといいます。
宇目地域は同市では高齢化率が51.24%と最も高く、日常の買物に困っている高齢者が少なくありません。
そのため、同市番匠商工会では高齢者等買物弱者支援宅配事業として電話で注文を受け付けて買物を代行していますが、山間地で集落間に距離があるために往来の難しい地域が多く、苦慮しています。
こうした地域でのドローン利用により、輸送時間短縮や経費削減などを見込むことができます。
この日の試験では、縦横が1.7メートル、高さ約70センチと、県内にあるドローンでは一番大きいものを使用しました。
ドローンには地域の中心部にある商店で米、砂糖、洗剤などを箱に入れて積み込み、中間地点で荷物の一部を下ろし、最終目的地の潮見公民館まで830メートルを約6分で飛行しました。
試験に参加した地元の岡田ちず子さん66歳は「買物は、今はまだ大丈夫でも、将来は不安。ドローンによる配達が実現されれば、不安もなく、よりよい生活ができる」と期待しています。
試験は新年度も実施する計画で、県では他の過疎地域においてもドローンを利用した宅配の実現性を検討することにしています。