ドイツにあるDHLの本社付近では、配達サービスにドローンが使用されています。配達サービスに使用されるクワッドコプターは、アメリカ、ヨーロッパを中心に、アマゾンのプライム・エアーなどに利用されている、次世代の配達方法です。
荷物配達用ドローンは、受け取りにかかる時間や手間を省くことができるだけでなく、空気汚染低減などの環境保護にもつながります。
2018年2月13日にネイチャー・コミュニケーションズ誌が報じた新しい研究で、輸送の際、ディーゼル車の代わりにドローンを利用すれば、温室効果ガス及びエネルギー消費の削減に繋がるということが明らかになりました。
温室効果ガスを低減できれば地球温暖化防止につながるため、研究者たちは輸送サービスにドローンをもっと利用できないかと考えています。研究を行ったのは、カーネギーメロン大学とローレンス・リバモア国立研究所の研究者たちです。
研究の中では、輸送サービスに小型のドローン(軍事用の大型ドローンではない)を使用することにより、環境問題を改善できる事が強調されました。現在、アマゾンやUPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)、グーグルを含めヨーロッパの幾つかの配送サービスが配達用ドローンを使用しています。
一方、ネイチャー・コミュニケーションズ誌は一部の場合で、ドローンは非効率的になる可能性があるとも指摘しています。それは、重量物を配送する場合です。また、大量の荷物を配送する場合も、1つの荷物あたりの移動距離が長くなるため、非効率的になる場合があります。
テスラは、バッテリー駆動式の大型トラックを開発しており、このトラックなら、従来の大型コンテナなどの重量物を効率良く運搬できます。排ガスが発生しないので、環境への負荷が小さい、理想的な輸送方法と言えるでしょう。
また、大きなドローンを利用して、一度に大量の荷物を輸送すればいいとする考え方もあります。しかし、その場合、荷物あたりのエネルギー消費が大きくなり、陸送より効率が悪くなる可能性が考えられます。
現段階では、軽量物をドローン配送にし、重量物を従来のトラック輸送にするという方法が最も理想的です。
米国やヨーロッパの国々でドローンを利用した配達サービスを普及させるためには、まだ多くの規制をクリアしなければなりません。
しかし、ドローン配送が環境保護の観点から見て多くの利点があることを強調すれば、規制当局や環境保護団体からの支持を得るのは比較的容易になっていくでしょう。