長野県伊那市と信州大山岳科学研究所は2018年2月22日に、小型無人機ドローンを利用した林業部門での実証試験結果の報告会を開催しました。
林業での間伐作業の省コスト化実現のために、ドローンを利用して森林を撮影した画像を解析し、間伐計画の作成や間伐実施後の実績により、省コスト化の有効性が確認されました。
そのうえで、2018年度に市は所有する森林の間伐で実作業に利用する考えを表明しました。試験は本年度に市が同研究所へ依頼し、同市にある5ヘクタールのカラマツ林で実施されました。
2017年6月にドローンを利用して約100メートルの高度で異なる位置から森林を撮影し、それぞれの画像をもとに3次元画像を作成しました。
同研究所の加藤正人教授らが開発したプログラムを用いて3次元画像の加工を行い、個々の木の高さ、直径や体積の算出が行われました。
報告会において加藤教授は、1本ごとに高さや体積別に色で分け、地図の上に表示するようにして間伐計画の作成を容易にしたと説明しました。
間伐実施後の2017年10月にはドローンを利用してカラマツ林を撮影し、間伐実施前の画像と比較して、実際に間伐が行われた本数、体積、間伐の割合を正確に算出しました。
調査対象地で間伐作業を担当した上伊那森林組合によりますと、5ヘクタールを調べる場合は複数の地点で実施し、3人がかりで10日ほど必要になるといいます。
一方、ドローンを利用した場合は15分ほどで対象の地域全ての調査が可能なため、必要な労力や時間を大幅に減らすことができ、正確性も高まるとのことです。