中東の紛争地域でドローンが戦場カメラマンに?

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.03.28
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戦場カメラマンといえば、多くの人は、命がけで戦地を駆け回るカメラマンを想像するでしょう。

しかし、ドローンが広く利用されるようになって、いわゆる「戦場カメラマン」の在り方も変わってきています。より安全に、しかもより高解像度で動画、静止画の記録を残すことができるようになってきているのです。

ニューヨークにある先進テクノロジーのコミュニティ、「ハード・ワイアード・ニューヨーク」で公開された21分間の話の中で、フォトグラファー兼ディレクターであるL・ジョーイ氏は、紛争地域での撮影がどのように行なわれているかを説明しました。

ここ数年間のドローン技術の進歩は目覚ましく、高性能のドローンが一般の人々にも手に入る価格で提供されています。ジョーイ氏は一般的なドローンを使用して、中東の紛争地域における記録を残しました。

ドローンがなければ、航空写真を取るためにヘリコプターを使用しなければなりません。ヘリコプターは非常に高価で、紛争地域では敵のターゲットとなるために危険です。

一方、ジョーイ氏は普通のドローンパイロットが経験しないような難題に対処しなければなりませんでした。それが、電磁パルスです。数時間おきに大きな爆発が起きている中東の紛争地域では、電磁パルスによりドローンが大きな影響を受けます。

また、ある時ジョーイ氏のドローンが敵の民兵に見つかり、銃撃を受けました。幸い銃弾はドローンに当たらず、ジョーイ氏はドローンの帰還機能を使用して、その場を逃れる事ができました。

DJIファントムなどの一般利用者向けのドローンは、ジャーナリストなどが利用するのに適していますが、過激派グループに悪用されるケースもあります。

実際、過去にISISに改造されたドローンが発見された事があります。また、ドローンのライブ映像を利用して、手榴弾などの爆発物を輸送し、投下することなども考えられます。

ジョーイ氏の講演はYouTubeにアップロードされており、彼の作品はFacebookやInstagramで公開されています。ジョーイ氏の作品は、兵士のポートレートが多いのが特徴です。

ドローンの進歩により、比較的安全に戦地の記録を残せるので、世界中のより多くの人が詳細な紛争地域の状況を知ることができるようになりました。イラクの戦場の様子を記録した高解像度の動画は非常に鮮明で、紛争の悲惨さを理解する事ができます。