ローソンが「ドローン配達」試験運用、福島県南相馬市 地元住民は感謝

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.03.27
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2018年2月初めのある日の午後、1台のドローンがコンビニの前に現れました。機体は直径が約1メートル、白と赤の機体に黒い6枚のプロペラが付いています。

機体の下に、肉まん、総菜、弁当を収めた箱が取り付けられると、係員の合図でプロペラが高速で回転を始め、大きな音を立てながら上昇し、視界から消えていきました。

福島県の「ローソン南相馬小高店」は東電の福島第一原発から30キロ圏内にあり、震災後に一時避難指示区域に指定されました。

現在は指定が解除されていますが、修復中の住宅や閉じたままの店舗も多くあります。足腰が弱い高齢者が、歩いて遠方へ買物に行くのは大変です。

そのため、高齢者を援助する一環として、ローソンでは2017年10月に楽天と共同でドローンを利用した配達の試験運用を始めました。

付近で個人タクシーの運転手を務めている人からは「段々人は戻っているが、まだまだ店が少ない。コンビニを利用したくても2キロほど離れており、みんなが不便している。ドローンの配達でみんなが救われる」と語りました。

このサービスでは、電話で注文を受けてローソンの係員が商品を箱に収め、楽天の係員が箱をドローンに取り付けます。そして、専用の端末で出発の指示を行うと、指定した着陸地点へドローンが配達してくれます。

取扱う商品は、弁当や総菜などで、最大2キログラムまで配送することが可能です。今春までに試験運用を終え、その後に実用化に向けて検討することにしています。