ネバダ州でテストされるAEDを運ぶ医療緊急ドローン

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.03.24
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アメリカ合衆国ネバダ州のリノ市を拠点とする企業「Flirtey(フラーティー)」は、リノ市と共同で、独立型ドローンの医療機器輸送サービスを推進しています。

同社は、プロジェクトの許可を得るため、近頃FAAが進めているドローンパイロットプログラムに申請を出しました。プロジェクトが公に認められれば、医薬品や医療機器をドローンで輸送することが可能になります。

ドローンの輸送サービスを専門的に扱うネバダ州リノ市のスタートアップ、フラーティーは、2013年にオーストラリアで始まった企業です。

フラーティーはアメリカにおいて、かなり早い段階でドローンの輸送サービスを展開しており、この分野でのリーディングカンパニーと言えるでしょう。また、フラーティーはドローン用の交通網管理システムをNASAと共同で開発しています。

フラーティーのCEOであるマット・スウィーニー氏は「医療緊急ドローンによって、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応を起こした患者にエピペンを届けたり、鎮痛剤であるオピオイドの過剰摂取などで呼吸困難を起こしている患者にナロキソンを運んだりする事ができた」と述べました。

ドローンを用いることで緊急時の医療処置をスムーズに行なえるほか、ドローンネットワークを充実させることで、患者に密着し、必要なときには直ぐに医療処置を施す事ができます。

「緊急時にドローンを活用すれば、人命救助に大いに役立つだろう」とスウィーニー氏は付け加えました。

ネバダ州リノ市以外にも、医療用にドローンを活用している場所があります。例えば、スウェーデンでは除細動器(AED)を運ぶための専用ドローンがあります。

アフリカのマラウイでは、医療施設が整っていない場所へ医薬品を届けるために、ドローンが活用されています。フラーティーも現在、AED輸送用ドローンのテストを行っています。

スウィーニー氏は「データを分析した結果、人口が密集している都市部でAED輸送用ドローンを活用すれば、2週間に1人のペースで命を救うことができると分かった。リノ市が先例となれば、他の都市でもこういったドローンがさらに活用されるだろう」と述べました。

ドローン業界の流れを見ると、将来的にドローンが商業用および公共の安全のために用いられることは確実であると考えられます。

近い将来には、救急車が道路を走っているのと同じような感覚で、緊急用ドローンが空を飛んでいる可能性もあります。