オーストラリアのキャンベラ郊外でドローンフードデリバリー試験運用中

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.03.17
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オーストラリアの首都キャンベラの郊外で、フードデリバリーサービスにドローンを利用する動きが見られています。現在、試験段階にあるとはいえ、すでに多くのユーザーに利用されています。このドローン宅配便計画には「プロジェクト・ウィング」という名前が付けられています。

このプロジェクトを指揮しているのは、グーグル・エックスと呼ばれていたX社で、現在ではカリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くコングロマリット(複合企業)アルファベットの子会社です。プロジェクトマネージャーのルーク・バーリントン氏が開発チームを率いています。

バーリントン氏は、メキシコ料理チェーンのGYG(グズマン・イー・ゴメズ)のデリバリーサービスにドローンを応用しており、テストはすでに成功し、実用化段階に進んでいます。市内から離れた地域でも、ドローンを利用すれば、暖かい料理をすべての住民に届けることができます。

GYG以外にも、オーストラリアの日用品サプライヤー「ケミスト・ウェアハウス」がプロジェクト・ウィングのドローンデリバリーサービスを利用しています。スキンケア用品やヘアケア用品、サプリメント等の日用品を、郊外にドローンで届けるというのが目的です。

キャンベラの郊外に住む人たちは、最寄りのスーパーに生活必需品を買い出しに行くために、往復40分の距離を移動しなければなりません。ドローンは120キロのスピードで直線距離を移動できるため、効率よく宅配便を届けることが可能です。

ドローンによるデリバリーサービスの使い方は簡単で、アプリを起動し、注文したい商品や料理を選択するだけです。

プロジェクト・ウィングのドローンが住民の庭先に到着すると、自動的にドローンのウインチが動作し、約5メートル上空から荷物を下ろします。テスト段階であるとはいえ、すでにこのサービスに、150人ものユーザーが登録しているというのは驚きです。

ドローンは特殊な形状をしており、直立軸のプロペラが12個と、水平軸のプロペラが後方に2つ装備されています。ヘリコプターと固定翼機を融合した斬新な外見が特徴です。この特殊な構造により、安定したホバリングができます。

プロジェクト・ウィングのドローン宅配便計画は郊外では便利ですが、都市部で利用するためには、まだ多くの課題をクリアしなければなりません。都市部では家が密集しており、精度が要求されるため、ドローンを更に改良する必要があるからです。

プロジェクトを進めるX社の親会社アルファベットは、他にも無人運転技術や、気球を使った高高度インターネット技術など、斬新な技術の開発でも知られています。