世界で初めて、ドローンを使用した送電線での事故を想定した人命救助の訓練を実施

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.03.15
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有限会社ケンテックシステムズは、2017年12月26日に東京電力パワーグリッド株式会社が所有する送電線訓練施設で、送電線の保守作業中やパラグライダーが引っかかるなどの事故に備える「送電線レスキュー」訓練を行いました。

送電線での保守作業中にパラグライダーの引っかかりなどの事故が起きた場合、高所作業車で届くことができなければ、救急隊員が鉄塔を登って送電線をつたい、救助が必要な人へ到達しなければなりません。

到達することが簡単ではなく、救助が必要な人の状況を考えると、いかに迅速に到達し、安全に配慮して地上に降ろせるかが重要です。

高所におけるロープ作業が主な業務のケンテックシステムズでは、一般的な技術訓練・安全対策と並んで、さまざまな作業環境における事故の発生を想定して、自己救助技術の実証を行なっています。

開発中の「NSCパワーアッセンダー」は、市販されている充電ドライバーを動力源としており、最大で200キロの重量まで昇り降りすることが可能で、救助の現場で活躍することが期待されます。

ドローンを用いて、高さ30メートルの送電線に直接ラインを引っ掛け、救助にあたる人がNSCパワーアッセンダーで昇り降りし、救助が必要な人に疑似した重量75キロの人形を30分以内に地上に下ろし、送電線や鉄塔においても迅速な救助が行えることを証明しました。

今後の送電線救助訓練を2018年5月頃に実施する予定で、消防関係から見学者や訓練参加者を募集し、救助の専門家の意見も参考として検証を行っていく予定にしています。