2018年1月末に行われた中国人民解放軍の訓練において、ドローンが物流支援に利用されていたことがわかりました。これを報じた中国の新華社通信によると、人民解放軍の訓練において、ドローンが物流分野で利用されるのはこれが初めてとのことです。
中国人民解放軍によって雲南省と陝西省で行われた訓練のために、中国の物流大手・順豊エクスプレスが所有するドローンを提供したと、2018年1月28日に新華社通信が伝えました。演習が行われた正確なタイミングは公表されていません。
最初の演習は、「険しい山間部の戦闘中にレーダーが故障、スペアパーツを配送する」という状況をシミュレートする形で行われました。ドローンによる配送が完了するまでに、1時間ほどを要しましたが、通常の陸上輸送に比べて90分以上の時間が短縮されたとのことです。
2度目の演習は陝西省で行われ、ドローンによる救援物資配達の査定を目的としていました。「山岳地帯で毒ヘビに噛まれた兵士に薬を届ける」というシチュエーションで、ドローンは従来の輸送機より6倍速い22分で抗毒薬を配達しました。
新華社通信によると、ドローンの操縦は北京の物流司令部からリアルタイムで行っており、必要に応じて飛行ルートを変更することもできるとのことです。今回の演習で得られたデータは、今後のドローンのさらなる有効利用を促進するために分析されます。
人民解放軍は順豊エクスプレスの他、電子商取引大手JD.com、中国鉄路総公司、中国郵政、徳邦物流との契約を結んだとのことです。
軍隊へのドローン導入は、中国軍の先進性をさらに推し進めることになると見られています。2017年10月に行われた中国共産党5年に一度の党大会において、習近平国家主席は人民解放軍を2050年には世界最先端の軍隊にしたいと語っています。