イギリス南東部の街、コルチェスターで、ドローンに関連した新しい試みが始まっています。消防にドローンを利用しようとする試みで、すでに本格的なパイロットの訓練なども始まっています。
消防用ドローンに用いられているのは、DJIのPhantom 4です。コルチェスターでは、このドローンを使用して、火災現場を調査したり、行方不明者を捜索したり、危険物の発見を行ったりします。
ボランティア消防署の会員であるテレンス・クラーク氏は、妻とともに1,500ドルのドローンを寄贈しました。
クラーク氏は、テレビで見たドローンからインスピレーションを得て、救命にドローンを応用できないかと考えるようになったとのことです。コルチェスターの委員会は、このほど、消防署が業務にドローンを使用する事を許可しました。
また、消防署の一員であるシューメーカー氏は、連邦航空局公認のドローンパイロットです。2017年10月に免許を取得し、現在ドローンを使用した業務に当っています。業務には、ドローン使用のためのガイドラインを作成することや、新たなドローンパイロットを訓練する事などが含まれます。
ドローンは火災現場や事故現場で、360度のライブ映像を現場の指揮官に送信できます。二人一組のチームで操作し、1人はパイロットとして、もう1人は現場に問題がないか、空撮された映像を監視するモニターとして業務に従事します。
ドローンを使用すれば、消防士がはしごに登る必要がなくなり、コストと危険性の低減につながります。火災現場や事故現場には潜在的な危険が隠れており、ドローンを導入する事によって、消防士たちを危険から守ることができます。
ドローンパイロットのシューメーカー氏によると、この消防用ドローンは、アメリカとロシアの衛星を利用したGPSにより測位されており、映像、画像を含め、位置や高度、飛行時間など全てのデータはコンピューターに保存されます。
現在、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、インディアナ州などアメリカの多くの場所では、ドローンの公務利用が始まっています。
ドローンを公務利用するためにはFAA(連邦航空局)公認の免許を取得していなければなりません。免許取得のためには、筆記試験の他、2日間のトレーニングコースに参加する必要があります。
クラーク氏は「たとえ1人の命でも救うことができれば、ドローン導入は成功だったと言える」と述べています。