ポーランドでは、大気中の違法な汚染物質を検出し、空気の品質をマッピングできるセンサーを搭載したドローンの導入が自治体によって検討されています。
ポーランド南部の都市カトヴィツェ市は、このタイプのドローンをテスト導入しており、汚染源を調査・特定することで、最終的には違反者を取り締まり、大気状態を改善することを目標としています。
ドローンが環境調査に使用されるケースは近年世界的に増加していますが、環境汚染に関わる犯罪捜査にまで応用されるのは、これが初めてとのことです。
カトヴィツェ市は人口約30万人と比較的小規模で、公害に悩まされている都市ということもあり、今回のドローン技術をテストするにはうってつけのテスト対象です。
使用されるドローンは、カトヴィツェ市にある航空監視会社Flytronicによって供給され、センサーによって空気中の様々な化学物質を分析し、その濃度や発生源を追跡、特定することができます。
この機能は非常に優秀で、煙突から有害な煙を放出している住宅は正確に特定され、近隣住宅があらぬ疑いをかけられることは、ほぼあり得ません。特定された違反者には、約150ドルの罰金が科されます。
2017年に新しく選出されたポーランドのモラウィエツキ首相は、大気汚染によって年間5万人の市民が死に至っていると指摘し、その対策に力を入れています。このような背景から考えれば、今回のドローン導入は自然な成り行きだと言えるでしょう。
カトヴィツェ市では2018年12月に国連気候変動会議を開催予定で、その頃までに何らかの効果が表れることが期待されています。
ドローンは、地球を多方面から分析・改善することができる効果的なツールとなっています。樹木の植え込みから伝染病の拡散との闘いに至るまで、あらゆる場所で活用されています。
国連気候変動会議のころまでに、カトヴィツェ市が清潔な空気をもって世界にその取り組みを示すことが出来るかどうかが注目されます。
(画像引用: http://www.thedrive.com/)