2017年12月、カナダのバンフ国立公園でドローン空撮を行っていた男性に、500ドルの罰金が科されました。バンフ国立公園でこのようなことが起こったのは初めてだということです。
事件が起こったのは、カナダのアルバータ州にあるバンフ国立公園です。バンフ国立公園はカナダで最初に設立された国立公園で、周辺一帯は世界遺産に指定されています。コバルトブルーの湖と、そり立つ山々の景色が素晴らしい観光地です。
このバンフ国立公園のトゥー・ジャック湖という場所で、アイスホッケーを楽しんでいたダニー・マクイクレンという男性は、自分のドローンで湖を撮影しました。
マクイクレン氏は、「5〜6年に1度見られるか見られないかの景色だった。6インチ(15センチ)ほどの厚さの氷が湖を覆っていて、湖の底まではっきりと見えた。思い出のために、ドローンで映像に残したかった」と述べました。
しかし残念ながら、マクイクレン氏に残ったのは、公園の管理人に事情聴取を受けるという苦い思い出だけでした。
当時、同じ場所でスケートを楽しんでいた2人の観光客が、公園の事務所にクレームを出したのが事の発端だったようです。マクイクレン氏は当時、警告を受けるくらいだろうと考えていました。しかし、その後、予想外の展開になります。
なんと、マクイクレン氏は裁判所に出廷するように命じられ、不法にドローンを使用すると最大で2万5,000ドルの罰金が科されると言われたのです。
前例がないため、裁判官は判決を出すのに難渋したものの、最終的に500ドルの罰金が科されました。野生動物保護の法律に違反したというのがその理由です。
マクイクレン氏は、バンフ国立公園がドローン禁止区域だった事は知らなかったと述べ、多くの企業が、ドローンで撮影された映像を使用している点について言及しました。
また同氏は、「1か月ほど前に、高級ホテルチェーン、フェアモントのインスタグラムに、同じドローン映像がアップロードされていた」と指摘しました。
これに対して、バンフ国立公園の管理者であるスティーブ・アンダーソン氏は、「バンフ国立公園がドローン禁止区域であることは、ウェブサイトにはっきりと明記してあり、その指示は決して曖昧なものではない。ドローンを使用する人は、その場所の規制について知っておくべきだ」と述べました。
ドローンを使用する場合は、事前に申請書を提出し、許可を取得しなければなりません。公園内では2017年だけで、87件のドローンに関係した報告が届いており、バンフ国立公園は、不法なドローンを発見した際に報告するための専用窓口を設けています。