2017年12月7日、中国広州で行われたグローバル・フォーチュン・フォーラムの開幕イベントで、1,180台のドローンが空中でのショーを行いました。これほど多くのドローンがシンクロしたというのは前代未聞で、世界記録となりました。
1,180台ものドローンが広州の上空で9分間のパフォーマンスを行い、観客は感動の渦に包まれました。空中には中国大陸や観葉植物のカポックツリー、船の姿をモチーフにしたネオンアートが描かれ、ドローンの飛行精度の高さがアピールされました。
ドローン1台のコストは約1,500ドルで、今回のパフォーマンスに使用されたドローン全ての金額は172万5,000ドルにも及びます。「この価格はドローンのスペックを考えると安価である」とEhang UAVの幹部は述べています。
このパフォーマンスに使用されたEhang製ドローンの飛行精度について、その誤差は水平方向にわずか2センチメートル、垂直方向に1センチメートル程度です。
遠くから見るのであれば、ほぼズレはないと言えるでしょう。なお、ドローンが何らかの理由で所定の位置に留まれない場合は、自動着陸するようにプログラムされています。
Ehang(億航)は中国広州に本拠地を置く企業で、2014年に設立されました。DJIに次ぐ大きなドローンメーカーであり、資本金3000万元という大企業です。
Ehangが開発したGHOST DRONEは、スマホをコントローラーとしてドローンを操作できます。スマホを傾けたり回したりするだけでドローンの操作ができるなど、直感的にコントロールできるアプリケーションが特徴です。Ehangのドローンは今、中国で最先端の技術を備えたドローンと言えるでしょう。
中国電子技術グループ公司(CETC)は、清華大学と産学連携で、CGIシーケンスにより視覚化された動画を公開しました。動画の中では、ドローンがミサイル発射装置を検知し、それを破壊するまでのプロセスが表現されました。CETCはドローンの軍事利用についても視野に入れています。
中国はまた、ドローンを宇宙に飛ばす計画も視野に入れています。
2017年の秋には、中国科学アカデミーが高高度気球を使用して、15マイル(24キロメートル)の高度からドローンを投下する実験を行いました。投下後、ドローンは96キロの距離を飛行しました。このドローンは電磁波を検出し、地形をマッピングすることもできます。
米国防総省ペンタゴンがドローンの軍事利用のため、積極的に開発を行っていますが、中国もそれに対抗するように産学連携で軍事用ドローンの開発を進めています。