洪水などの水害の復興にドローンが活躍

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.02.27
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2018年1月13日土曜日、ニューファンドランド島で起こった土砂崩れは、かつてない規模のもので、この災害により道路が大きなダメージを受けました。道路は完全に寸断されたため、応急的な工事により迂回路が作られました。ニューファンドランドでは、これほど大きな規模の土砂崩れは非常に稀であるということです。

土砂崩れによる道路や地盤へのダメージは大きく、決して楽観視できない状況です。川のように流れる洪水が道路を堂々と横切り、道をアスファルトごと押し流しました。交通量の多い道路であるため、地元の住民への影響も大きいといえるでしょう。

今回ニューファンドランドで起こった土砂崩れ災害には、修復工事のためにドローンによる3Dマッピング技術が利用されています。

マッピングを行うのは地元のコンサルティング会社である、リソース・イノベーションズという企業です。地理情報システムとドローン空撮の力を集結させ、新技術により現場の修復工事をサポートしています。

ドローンによって実際に得られたデータを元に解析を行うと、肉眼で推定した被害の大きさとの間に大きな誤差があることがわかります。

災害現場に立って水平に見てみると単に道路に穴が空いているだけのように見えますが、ドローンで空撮すると、予想以上の量の地盤が削り取られている事がわかります。

ドローンの3Dマッピング技術を利用することによって、どれほどの土砂や堆積物が流されたかを推定する事ができ、データを元に修復工事を行えます。

場当たり的に埋め立てを行う事なく、本当に必要な作業だけを効率的に行えるのです。土砂を充填する必要があるかどうかなど、具体的な数値データも割り出せます。

リソース・イノベーションズのエイドリアン氏は、「ドローンの最新技術を災害現場に利用できたのは嬉しいが、その被害の大きさに動揺している」と述べています。

同氏は日頃からスキーを楽しんだり、スノーモービルに乗ったりするので、雪山の土砂崩れを見ると心が痛むということです。

災害が起きたニューファンドランド島は、1949年にイギリス自治領からカナダの領土に変わり、現在では漁業が盛んな島として知られています。ニューファンドランド島は、タラ漁業で有名な場所です。

ドローンの3Dマッピング技術が土砂崩れの修復に利用された例は非常に少なく、これから更に応用され、多くの国で利用されるはずです。

ドローンに搭載されるカメラの性能は、ここ数年で飛躍的に向上しており、今回のような災害復旧への応用が可能になっています。