ベラルーシ国境警備隊が不審なドローンを捕獲

更新日: 2018.05.14 公開日: 2018.02.27
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2018年1月上旬、ベラルーシとリトアニアの国境付近で不審なドローンが回収されました。国境付近では、変わったドローンが頻繁に見つかりますが、レールの上を走るドローンは非常に珍しく、ベラルーシの国境警備隊も驚いています。

二国の国境付近にて、ドローンは監視カメラに突如映し出され、監視員がそれに気づき、後に国境警備員らによって阻止されました。

ドローンはスーパーのショッピングカートのような鉄の網で作られており、2つのバッテリーを搭載し、遠隔操作ができるようになっていました。

ドローンが発見された当時、密輸品は見つからなかったものの、密輸業者がタバコ等の品を運ぶために設計されていた事は確かです。

ドローンは、運搬した密輸品が誰かに拾われる等した後、リトアニアに戻ろうとしていたのではないかと、警備員たちは推測しています。もしくは、密輸にこのドローンを実際に使用するための試運転だったとも考えられます。

ベラルーシは人口1000万人ほどの国で、1991年にソ連が解体した後に独立した国です。言語や文化もロシアと似ていますが、行政区分は別で、法的にもロシアとは隔たりがあります。

西はポーランド、南はウクライナと接しており、他にもラトビア、リトアニア、ロシアと接しています。リトアニアはEU加盟国であるものの、ベラルーシは依然として加盟国ではないため、国境の自由な行き来は許されていません。

リトアニアは人口約300万人の国で、ベラルーシと同じく1991年のソ連解体の際に独立しました。バルト海に面しており、ポーランドとも接しています。国内にはリトアニア人とロシア人が住んでおり、言語や文化もベラルーシと似ていると言えるでしょう。

リトアニアでは、密輸問題が増え続けています。リトアニア国境警備隊のリーダー、レナタス・ポゼラ氏は、リトアニアとベラルーシの国境付近において、密輸問題は「最大の悩みの種である」と述べています。

ベラルーシにおいても、ロシアとの国境付近で密輸犯罪が増えています。2016年には、ロシア側に果物を密輸するため、密輸業者が夜間に無断で道路を作った事が問題となりました。

一方で、ベラルーシの国境警備隊は、ポーランドとの国境付近でサンタクロースを交えたイベントを行うなどして、EU側の国々に友好的な態度を示しています。

各国の国境警備隊は空の密輸ドローンだけでなく、「陸の」ドローンにも警戒しなければならないようです。